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ビルメンテナンス業への転職で有利になる資格は?業務はきつい?

ビルメンテナンス業への転職で有利になる資格は?業務はきつい?

コロナ禍で「仕事がなくなった」「収入が減った」という人も多いはず。実際、昨今の状況を考えてより安定した転職先を希望する人が増えています。

そんな人達の転職先として注目を浴びているのがビルメンテナンス業です。

ビルが存在する限り仕事がなくなることはありませんし、業界としては慢性的な人手不足。「すぐにでも働きたい」という人は応募してみたくなることでしょう。

しかしながら、「ビルメンテナンスはきつい」という評判もあります。

そこでこの記事では、ビルメンテナンス業への転職で有利になる資格やその業務内容についてご紹介。

この記事を読んで「一体何がきついのか?」という点をチェックしてみてくださいね。

なお、「ビル管理会社への就職・転職、おすすめの会社」について知りたい方は、こちらで解説を行っていますのでぜひ確認してみてください。

ビルメンテナンスの業務内容とは

ビルメンテナンスの業務内容とは

ビルメンテナンスの業務を一言でいえば建築物の維持管理です。

ビルやマンション、商業施設、病院、学校などの建築物は街のいたる所にあるわけですが、それらの美観を保ちつつ安全に利用できるようにするにはさまざまな管理が必要。

ビルメンテナンスの業務とはまさにそれらの管理であり、具体的には以下のようなものがあります。

<ビルメンテナンスの業務>

  1. 清掃管理業務
  2. 衛生管理業務
  3. 設備管理業務
  4. 建物・設備保全業務
  5. 警備防災業務
  6. その他

まずはこの6つの業務からご説明していきます。

清掃管理業務

清掃管理業務

清掃管理業務とはいわゆるお掃除のことであり、汚れを落とすことと汚れにくくすることが目的です。

簡単なように思うかもしれませんが、ビルなどの建物は大きいので清掃対象は非常に広範囲。

主なところでは

  • トイレ
  • 洗面所
  • エレベーター
  • エスカレーター
  • 机・イス
  • 外壁
  • 窓ガラス

などがあります。

さらに日常清掃(2日に1回程度)するところと定期清掃(月に1回程度)のみのところに分かれており、作業には専用の洗剤や機器を使うこともあります。

「ビルクリーニング技能検定」という国家検定が設けられるほどで、経験がものを言う仕事といえます。

衛生管理業務

衛生管理業務

細菌、ウイルス、害虫などへの対策を行い、建築物の衛生環境(水や空気など)の面で安心できるようにするのが衛生管理業務です。

具体的には、

  • 空気環境管理
  • 給水管理
  • 排水管理
  • 害虫駆除
  • 廃棄物処理

といった業務があります。

コロナ禍によって重要性が増した業務であり、大きな責任を背負っています。

設備管理業務

 

電気、通信、水道、防火など、建築物には様々な設備がありますが、これらの稼働に問題が起きないように点検・整備するのが設備管理業務です。

具体的には

  • 電気通信設備
  • 空気調和設備
  • 給排水設備
  • 消防用設備
  • 昇降機設備

という5種類を対象としており、作業員には高度で幅広いな知識が求められます。

そのため「ビル設備管理技能士」という検定制度が設けられ、最上位の1級を受験するには実務経験が7年も必要になります。

建物・設備保全業務

建物・設備保全業務

建物・設備保全業務は建築物の長期的な保全を目的とした業務で、「点検整備業務」とも呼ばれます。

業務の対象となるのは

  • 建築構造物
  • 建築装備

の二つ。

いずれも経年劣化するので、定期的にチェックして安全性を確認するのです。

警備防災業務

警備防災業務

警備防災業務は建築物及びそこに出入りする人の安全を守るための業務です。

業務の種類は大きく分けて3つ。

  • 警備業務
  • 駐車場管理
  • 防火防災業務

建築現場の警備員と比べると体力的には楽なことが多いのですが、日誌を作成したり施錠して回ったりといった細かい業務がたくさんあります。

その他の業務

その他の業務

主に警備業務との関連が深くなりますが、ビルメンテナンスには受付案内や電話の取次といった業務もあります。

その建築物の「顔」として利用者と接することになるので、評価を落とさないように礼儀正しい態度が必須。

また、外部の人に応対するだけでなく、クライアントや所属するビルメンテナンス会社向けに報告書・日誌を提出する業務もあります。

ビルメンテナンス業務のきついところ

ビルメンテナンス業務のきついところ

ビルメンテナンスの業務に関してはご紹介した通りです。

実際の現場では勤務時間がきっちり決まっており、残業が発生することはほとんどありません。

また、担当する業務次第では体力の消耗はほとんどなく、きついと感じることは少ないでしょう。

<しかしながら、以下の点では体力とは違った部分できついと感じるかもしれません。

  • 非正規労働者が多い
  • 所得が低い
  • 資格取得に向けた勉強が多い
  • 現場は24時間365日稼働

非正規労働者が多い

非正規労働者が多い

転職サイトをみるとビルメンテナンス職の募集がたくさん見つかります。転職すること自体は簡単なのですが、問題はその雇用条件。

募集のほとんどが非正規労働者(アルバイト)で、正社員の募集はほとんどないのです。

そのため賞与や昇給、社会保険といった待遇面はあまり期待できません。

所得が低い

所得が低い

ビルメンテナンスの作業員(非正規労働者)は日時1万円以下のことがほとんど。

業務内容によっては一日に数時間しか働けず、日給5千円程度で終わることもあります。(年収に計算すると高くても280万円程度)

たいていの非正規労働者は100万円台なので、家計を支える男性が本職とするにはかなりきついことでしょう。

そのため、ビルメンテナンス業への転職を考えるなら正社員を狙うべきです。

資格取得に向けた勉強が多い

資格取得に向けた勉強が多い

ビルメンテナンス業では点検や整備を業務のメインにしている人もいます。

ビル管理士などの資格を持った人で正社員となるのですが、そこにたどり着くには高度な知識を身につけ複数の資格を取得しなければなりません。(詳しくは後述します)

資格によっては定期的な講習受講が必要となるものもあり、勉強が苦手な人は間違いなく「きつい」と感じるかもしれません。

現場は24時間365日稼働

現場は24時間365日稼働

正月だろうがお盆だろうが建築物は同じ場所にあり続けます。

つまりビルメンテナンスのほとんどの業務は無休でフル稼働ということ。

もちろん、深夜勤務や土日の勤務もあります。現場ではシフトを組んで空きができないように対応していますが、慢性的に人手不足な業界だけに一人でも離脱するとシフトを埋めるのが大変。

残った作業員は休みを返上してフォローすることになるのでかなりきついシフトになります。

ビルメンテナンス業への転職で有利になる資格

ビルメンテナンス業への転職で有利になる資格

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ビルメンテナンス業で非正規労働者として働くと所得は低くなる傾向があります。出世も望めないので転職するなら正社員を目指すべき。

ところが正社員の募集は少なく、資格を持っていないと良い条件では採用してもらえません。

そこでビルメンテナンス業への転職で有利になる資格を4つご紹介します。

<転職に有利になる資格>

  1. 第二種電気工事士
  2. 危険物取扱者乙種4類
  3. 第三種冷凍機械責任者
  4. 二級ボイラー技士

上記の4資格は多くの会社が取得を奨励しており、取得することで一通りのビルメンテナンス業務を担当できるようになります。

加えて資格手当もつくので、ビルメンテナンス業への転職を検討している人はできるだけ多くの資格を取得しておくと良いでしょう。

第二種電気工事士

第二種電気工事士

ビルメンテナンス業への転職で正社員を狙う際、まず最初に取得すべきなのが「第二種電気工事士」です。

これは電気設備全般に関する工事を行う際に必要な資格。第1種と第2種があり、第2種を取得すると600ボルト以下で受電する設備の作業が可能。

一般的な事務所や住宅、店舗はほとんど600ボルト以下なので、ビルメンテナンス業へ転職後は多くの現場で重宝されます。

危険物取扱者乙種4類

危険物取扱者乙種4類

「危険物取扱責任者」は、消防法で定められた危険物(ガソリンや過酸化水素など)を取り扱うのに必要となる資格です。

甲種、乙種、丙種の3種類があり、取り扱える危険物の範囲が異なっています。

  • 甲種:すべての種類の危険物に対して取り扱い可能
  • 乙種:1類から6類まであり、取り扱い可能な危険物が異なる
  • 丙種:4類あり、特定の危険物のみ取り扱い可能

これらのうち、ビルメンテナンス業への転職で有利になるのは「乙種4類」。

実際、受験者の8割がこの「乙種4類」を受験しており、大変人気のある資格です。

第三種冷凍機械責任者

第三種冷凍機械責任者

「第三種冷凍機械責任者」は業務用の冷蔵機械の保守管理業務に必要な資格です。

第1~3種に分かれており、以下のような違いがあります。

  • 第一種:すべての冷凍設備の取り扱いが可能
  • 第二種:冷凍能力が1日あたり300トン未満の冷凍施設
  • 第三種:冷凍能力が1日あたり100トン未満の冷凍施設

一定規模の冷凍施設(食肉工場など)では「冷凍機械責任者」の設置が義務付けられていますから、ビルメンテナンス業への転職だけでなく、食品メーカーや運輸業などへの転職にも役立つでしょう。

二級ボイラー技士

二級ボイラー技士

ボイラー技士はボイラーを安全に取り扱うために必要な資格です。

昨今ではボイラー設備を備えた建築物が減ってきており、資格取得の優先順位としては他の3つより下がります。

とはいえ、ビルメンテナンス業界では昇給の条件として「二級ボイラー技士」を指定している企業が多く、キャリアアップしたいならいずれ必要になる資格です。

ビルメンテナンス業における正社員のキャリアアップ例

ビルメンテナンス業における正社員のキャリアアップ例

ここで、ビルメンテナンス業に正社員として転職した場合のキャリアアップ例をご紹介しておきます。

ビルメンテナンス業も他の業種と同じで先輩社員から順に昇格していく傾向があります。

ただし、資格があれば先輩社員を追い抜くことも可能。さらに資格手当も付くなど、他の業種と比べると資格取得の効果が大きくなります。

最初のキャリアアップ

最初のキャリアアップ

ビルメンテナンス業への転職後、最初のキャリアアップに必要なのは「第二種電気工事士」「危険物取扱者乙種4類」「第三種冷凍機械責任者」の3つです。(企業によっては消防設備士甲4類も)

上記が揃えば資格手当として1万円ほどが貰える他、役職がついて役職手当も期待できます。

なので、取得していない資格に関しては転職後1~2年以内の所得を目指します。

二回目のキャリアアップ

二回目のキャリアアップ

次なるキャリアアップには以下のような資格が必要になります。

  • 二級ボイラー技士
  • 消防設備士甲種3類
  • 消防設備士乙種7類
  • 2種冷凍機械責任者

それなりに高度な知識が求められますが現場作業で知識を吸収していればきついと感じるほどではないはず。

上記4つを取得することで資格手当が2万円にアップしますから積極的に受験してみてください。

三回目のキャリアアップ

三回目のキャリアアップ

キャリアアップも三回目となるとかなりきつい試験が待っています。

必要になるのは、

  • 電験三種
  • 1種電気工事士
  • エネルギー管理士
  • ビル管理士

の4つ。

いずれも難易度が高い上に複数年の実務経験が必要。実際、この段階でキャリアアップを諦めてしまう人がほとんどです。

ただし、それでも諦めずに頑張った人にはとても良いことが。

役職が上がると共に、きつい現場作業から事務所内でのデスクワークへと仕事がシフトするのです。

もちろん年収もあがり、ビル管理士を取得した時点では400~450万円ほどが見込めます。

高収入というほどではありませんが、資格所得に力をいれることで昇格・昇給できるわけですから、「営業や上司へのごますりが苦手」という人にはおすすめのキャリア形成プランといえるでしょう。

ビルメンテナンス会社をお探しの方へ

ビルメンテナンス会社をお探しの方へ

ここまではビルメンテナンス業へ転職を考えている人を対象に業務内容や資格をご紹介してきましたが、それとは別に「しんらいできるビルメンテナンス会社に仕事を発注したい」というオーナーさんもおられることでしょう。

そんな方におすすめなのがしんらいライフサービス株式会社です。

清掃から管理、リフォームまで幅広く取り扱っており、建築物の一括管理が可能です。

また、「物件の資産価値を向上させる」という考え方のもと、管理コストの削減にも積極的。

「原状の管理委託費では経営がきつい」というオーナーさんは多いと思いますが、そういう場合はぜひしんらいライフサービスにご相談ください。

*引用元:https://www.shinrai-ls.co.jp/

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ビルメンテナンス業への転職では資格が大事

ビルメンテナンス業への転職では資格が大事

この記事ではビルメンテナンス業の業務内容と転職に有利な資格をご紹介しました。

非正規労働者としてビルメンテナンス業に従事するのは収入的にきついはずなので、転職するなら正社員がおすすめ。

ただし、正社員は募集人数が少なくハードルが高いので資格を取得してから応募するべきです。

また、資格は転職後のキャリアアップにも大きく影響。結局のところビルメンテナンス業は常に資格との戦いになります。

それはそれできついとは思いますが、「勉強が好き」という人には大変向いている仕事といえますよ。

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