趣味の合唱団のこと

こんにちは。営業部の牧です。

今回は、趣味でやっている合唱団の活動について書こうと思います。
まずは始めたきっかけが普通と少し違って、やや面白い展開だったのでそこから。

いまいる合唱団への入団は、自ら進んでというよりは会社の仕事の一環みたいな雰囲気でした。
もう8年ほど前になりますが、それまで社長自ら担当してきた営業部門の仕事を引継ぐことになり、ビル清掃のお仕事をいただいている管理会社に担当引継ぎの挨拶で訪問した際のことです。

社長と同席して、窓口となっている先方の二人の部長を前にひととおり形式的な挨拶を済ませると、自己紹介的な趣味の話になりました。
ある音響機器メーカーが所有するビルの清掃の仕事をいただいていたこともあり、「趣味はなんですか?」の問いに「学生時代にやっていたので音楽を少々。」と答えました。
すると先方のM部長が「どんな?」と尋ねたので、「クラシック系になります。このメーカーのアンプを持っていますが、いい音で聴けますね。」と返しました。
するとさらに「クラシックにもいろいろあるよね。」と言われ、「声楽が好きです。合唱をやっていたので。」と答えました。
「合唱って?」と更に被せてきました。私の場合、合唱でも比較的マイナーなジャンルなので「男声合唱ですけど。」と控えめに答えたところ、おもむろに胸元から手帳のようなものを取出して提示され、みると「男声合唱団東京リーダーターフェル1925」と書かれていました。それは合唱団の会員名簿で、M部長はそこの団員だったのです。

その団体は、男声合唱の世界では名前が通っていたので、私も知っていました。とにかくここは印象よく思ってもらいたいと、本心ではありましたが、できる限りの褒め言葉を伝えようと思いました。
「すごく有名な合唱団で歌われているのですね。規模も大きく歴史があって、子供の頃にNHKのテレビに出たのを見たことがあります。学生時代オペラに出たとき、こちらの合唱団の方が居られ、とてもよくしていただきました。韓国との親善演奏会のカセットテープもいただきました。社会人合唱団ではいちばん有名ではないかなあ。」と。

それまでずっと決まったお客様を相手に現場部門の仕事をしてきていたので、仕事を取りに営業で回るという活動は実質初めてで緊張していたと思います。
そこから先の展開は、読者の方のお察しの通りと思いますが、この時は全くの想定外で・・・。

結局「一度見学に来なさい。」ということになり、「私なんか実力的にとても無理です。」って断ってみましたが、「そう言わずにまあ一度。」ということで練習場に行ったのが運の尽き?で現在に至るというわけです。

このあと翌週、初参加の日、M部長と練習場のあるJR浜松町駅の改札で待ち合わせ、一緒に連れて行ってもらいました。
そこからM部長の見事さというか、あっけに取られる展開が待っていました。
見学だから隅の方で座っていればいいのかな?と思っていたら、事前にしっかり根回ししてあって、私と同じパートの重鎮の方2名を紹介され、その方々を両隣に同じパート20名の2列目ど真ん中に座らされました。パート内の音がよく聴こえて、歌う側としてはいちばん歌いやすい特等席です。
そして休憩時間には、団員約80名の前で挨拶することとなり、まだ会って2日目なのに、Mさんからはずっと前からの知り合いのように親しげに紹介され、大歓迎を受けてしまいました。(平均年齢よりずっと若手ということで期待しているのだろうけど、私の歌の実力を知っているのか?)
そして練習後は居酒屋に立ち寄るのですが、会長・副会長・指揮者といった主要なメンバーも含めて次々と紹介され、楽しい時間を過ごすこととなり、方向の同じ人と一緒に帰るなかでまた「次回もよろしく。」と声をかけられ、あれよあれよと大学生の新歓のような乗りとともに引き込まれていったのです。(自ら進んで合唱がしたくて入ってくる人ばかりなので、こんなかたちで入団した人はその後見たことがありません)

はじめのうち、練習のある木曜日には「もう行く時間だぞ。」って言われ、会社から送り出されるような感じでした。
楽しんでくればいいって言われて送り出してもらったけど、合唱とは15年のブランクがあり、月に最低4~5回はある練習にちゃんと出られるのかもあやしい。そもそも実力的に自分なんか入れてもらえるはずがない団体だと思っていたので、「入っちゃってよかったのかな?」「きっかけがきっかけだし、最低1年は頑張らないとまずいよな。」とか、楽しいというより不安な気持ちの方が多かったように思います。
でもおかげでほぼ無遅刻・無欠席ができたので、途中参加ながらその年の秋の定期演奏会に全曲参加することができました。

そんな調子でなぜ現在まで続けられているのか。

まずは社長をはじめ会社の皆の理解と協力があってのことと感謝しています。
会社が休みの土日ですが、定期演奏会の日にどうしても入ってしまった工事の立会いを替わってもらったり、皆が残業しているなか練習で早抜けさせてもらったり、毎年休日にある演奏会に何人か聴きにきてもらったり。有難いです。

そしてM部長(合唱団ではMさん)をはじめ、メンバーの人たちが多彩でとてもよい人たちだからです。(はじめMさんの言動は理解不能でしたが、いまでは判ります。Mさんはとにかくフレンドリーで誰とでもすぐ友達になってしまう。そういうタイプの人だったってことです。)

あらためて合唱団の活動を簡単にご紹介します。
正式名称は、「男声合唱団東京リーダーターフェル1925」
http://www.tokyo-liedertafel.com/

よろしければいちど合唱団のホームページを覗いてみてください。

合唱団の活動は、年に1度秋に定期演奏会があり、それ以外に地方や海外の合唱団との交流演奏会、合唱フェスティバルへの参加などの行事が年に数回あります。

団員は、約80名で男声合唱団だから全員男だけ。一般の社会人(アマチュア)で普段は私と同じように仕事を持った人たちが中心です。
最近は平均年齢が60代後半になり、第二の人生の人もかなり増えてきました(マンションの管理員をしている人もちらほら)。最高齢は86歳で最年少は22歳、60歳以上もの年齢差があります。世代を超え、これだけの大人数で一つのことに取り組む世界も珍しいのではないでしょうか。
学生時代に合唱部だった人が大半ですが、とくに学閥もなく、趣味の合唱というものがただただ好きで集まってきています。(毎週山梨県や栃木県から練習に通って来ている人がいて驚きです。)

 私は大学を卒業し、いまの会社のグループに入社して以来20数年、お付き合いも限られた世界でずっと過ごしてきました。それが合唱団入団を機に様々な仕事や暮らしをしている80名以上の友人を持つことができたのです。
それまで仕事以外にプライベートであまり趣味らしいこともせず過ごして来たので、合唱団の人たちの多彩さにはすごく刺激を受けています。釣りやゴルフや奥様方も加えたホームパーティー、国内外への旅行など、合唱以外でも遊びや飲み仲間としての交流があり、私も誘われていろいろな初体験をさせてもらいました。
それらがとても刺激になっていて、入団していちばんよかったなと思うことです。きっと仕事にもどこか生きている部分があると思っています。

最後は宣伝になりますが、常時「新入団員募集中」です。最近はほとんど合唱未経験の人も入って来るようになりました。もし興味を持っていただける方がおられたら、ぜひお問い合わせいただければ幸いです。

それでは今回はこのへんで。いずれまたこの続きを書くことになると思いますが、よろしければまた読んでやって下さい。

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