ビリー・エリオット

こんにちは。営業部の牧です。
この夏これといった遠出の予定もたてなかったので、先日前から気になっていた「ビリー・エリオット」というミュージカルを観劇してきました。地元目黒にあるホリプロの主催ということで、一年ほど前からJR目黒駅や毎日通勤で通るホリプロ本社ビルの横に告知看板が出ています。

1、作品について
この作品は20年ほど前「リトルダンサー」という邦題でヒットした映画が元のイギリスの作品で、エルトン・ジョンが音楽を担当しています。
当地でヒットした後、世界10カ国以上で上演されるようになり、2009年にはアメリカでトニー賞(映画のアカデミー賞に匹敵する、アメリカ・ブロードウェー演劇の年間賞)10部門を受賞したほか世界の演劇賞80以上を受賞し、リバイバルを続けています。
今回は日本初演で、日本人キャストによる日本語版です。
この作品のいちばんの注目点は何かというと、主人公のビリーが12歳の少年だということです。

https://search.yahoo.co.jp/video/search;_ylt=A2RioluXo6pZpgUAtDCHrPN7;_ylu=X3oDMTBiZGdzYWtnBHZ0aWQDanBjMDAz?p=%E3%83%93%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%83%E3%83%88+%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%B3&aq=-1&oq=&ei=UTF-8

事前に10周年の記念公演というイギリス版の舞台をDVDで観ていましたが、主役の少年は2時間半の公演中ほとんど出ずっぱり(全編で10分程度しか休憩がないとのこと)でした。
かなり激しいダンスやフライングのシーンもあり、セリフに歌にダンスと息つく間もなく続く感じで、映画ならシーン毎にカットがあるからよいけれど、緊張感を持続し続けるのは並大抵のことではないなと感じました。(大人の役者でもこれをパーフェクトにこなすのは、相当に難しいだろうと思います。)
主役のビリー・エリオットには、バック転などのアクロバットシーンもあり、踊りがテーマの作品だけに何種類ものダンス(クラシックバレエ、タップダンス、ジャズダンスなど)ができなくてはなりません。主役だけに当然に演技力は必須、ミュージカルである以上、歌も聴かせられるものでなくてはなりません。子役が出てくるミュージカルは、「アニー」、「ライオンキング」、「サウンド・オブ・ミュージック」、「レ・ミゼラブル」などありますが、出演時間、難易度、身体的なハードさ等はそれらの作品とはレベルが違うように思います。
欧米では歌やダンスをする土壌が昔からありますが、はたして日本人の子供(しかも男の子)に歌って踊って演技もと全てを十分にこなせるものだろうかと注目していました。

2、ビリー役の少年達について
そんな日本人のビリー役はどうやって選ばれたかというと、オーディションに1年半以上をかけたそうです。(そういえば当社が目黒に越してきた2年前のいまごろ、目黒駅にオーディションの告知看板が出ていましたっけ)
小学生という設定なので、変声期前のボーイソプラノである必要があり、応募基準には身長147cm以下という制限がありました。
そこに1,300人以上の応募者があり、二回の審査を経て絞り込まれた10人に対して、各ジャンルの一流の指導者(クラシックバレエは熊川哲也バレーカンパニー、アクロバットはコナミスポーツクラブなど)が、1年以上をかけてレッスンを行なった中で、11歳~14歳の5人が選抜されたそうです。ただみな児童劇団出身者の子役ではないので、演技経験はほとんどなく、自身の得意分野以外は、このオーディションの中で初めて経験し、身につけていったとのことです。

3、舞台を観ての感想とおすすめ
先月ちょうどお盆の時期に、そんな日本人のビリーが、どんな舞台を見せてくれるのか、期待半分・不安半分で劇場に足を運びました。
観終わっての感想は、「とにかく凄い。」の一言です。ストーリーや演出は、あらかじめ観ていたロンドンのもの(DVD)とほぼ同じだったので、お話自体への感動は正直少なかったですが、声変わり前の身長150cmにも満たない少年が、経験豊富な一流の俳優陣を脇に演技・歌・踊りどれもミスなく大人と対等かそれ以上のものを見せてくれたことに感動しました。
ミュージカルの世界では名の通った大人の役者が脇を固め、それぞれに見せ場はありますが、ビリーの存在感がすごいので、彼がどのように演じるかで舞台の出来栄えがほとんど決まってしまいます。求められるレベルは、もはや子役と扱ってはいけない次元です。
このときは公演が開幕して20日ほど経ったときで、ビリーや他の役の子供達も本番5~6回目、役も板についてのびのびと演じていたように感じます。大人の俳優陣と稽古した期間は3ヶ月ほどだったそうなので、公演中も様々に吸収して成長し続けているのだろうと推察します。これから11月のファイナル公演まで、更にレベルアップした舞台が期待できるのではないでしょうか。
客席はほぼ満席で、かなり人気なようです。お客さんの様子を見ていると、リピーターがすごく多いように感じました。プログラムやグッズ類は既に入手済といった感じで、思ったほど売り場に列ができないかわりに、翌日以降の前売り券売場に人が多かったように思います。5人のビリーを見比べようということなのかもしれません。
ビリー役の少年達はそれぞれ学年が違い得意なものも違うとのこと。童謡コンクールで優勝した子、クラシックバレエで受賞歴のある子、アメリカでヒップホップダンスの受賞歴のある子などです。また遠くアメリカ、シンガポール、震災のあった熊本県から来た子がおり、ビリーになりたいという本当に強い意志をもって応募してきたのだなと感心しました。

ネット上でも、多くの感想が載っていますので、興味が湧かれましたらご覧下さい。

http://billyjapan.com/index.html

https://search.yahoo.co.jp/video/search;_ylt=A2RivcqQo6pZVS4AOgiHrPN7;_ylu=X3oDMTBiZGdzYWtnBHZ0aWQDanBjMDAz?p=%E3%83%93%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%83%E3%83%88%E3%80%80%EF%BC%AE%EF%BC%A8%EF%BC%AB&aq=-1&oq=&ei=UTF-8

http://billyjapan.com/message.html

http://enterstage.jp/interview/2017/08/007808.html

東京での公演は9月末までありますので、よろしければ実際に観に行ってみて下さい。大人も子供も楽しめる作品だと思います。主役のビリー・エリオットを育てるには、1年半以上の訓練期間が必要なだけに、また次回といっても再演の機会はそうそう訪れないと思いますので。
今回は以上です。

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