こんにちは。営業部の牧です。
一昨日は自宅マンション管理組合の定期総会がありました。
ちょうど輪番の役員となっており、今回は副理事長として出席しました。
いまは無事総会を乗り切り、次の方に交代しホッとしているところです。
今回は役員として過ごしたこの一年のことについて書きたいと思います。
1、役員の輪番
私のマンションは、14階建・全76戸・築17年です。外部所有者(賃貸に出している)も多いので、役員の輪番は7~8年おきくらいに順番がまわってきます。
理事会は、ほぼ月一回のペースで開催されており、組合員(各住戸の区分所有者)の自分達のマンションを管理していくことへの意識は比較的高い方ではないかと思います。
昨年の理事会も、総会のある1月とお盆の8月を除き全部で10回あり、5人の役員はほぼ皆勤に近い出席状況でした。
理事会で話し合われたおもな議題は、次のようなものです。
- 町会の会費値上げ通告に対する対応。
- 管理会社との委託契約の一部見直し。
- 共用駐車場の外部貸出しの導入。
- 地デジ対策を委託しているケーブルテレビ会社との契約の見直し。
- 消火ポンプの更新などいくつかの修繕。
- 隣接のビルの小火に対する対応。
- 共用電力の新電力への切替
- 管理会社からの月次の活動報告と決算報告確認
- 総会議案(決算報告・予算案含)の検討
一緒だった役員のメンバーが温厚で常識的な人が揃ったことと、輪番ももう2~3回目ということで、かなりスムーズな会合が重ねられたと思います。
よく自分本位というか、落としどころを考えないような発言で審議を混乱させたり、議題と関係ない方向に脱線する人が居て会合が長引いたりしますが、それが無かったので助かりました。
2、総会で感じたこと
何年も総会に出席していると、仕事として管理会社のフロント担当をしてきた経験からも言えることですが、設立初期の管理組合と年数を重ねた管理組合では、出席者の会合での発言内容も変化するというか成熟してくるものだなと感じます。(総会には歴代の理事長が顔を揃えるといった感じです。)
毎年総会に出席して、輪番で役員を経験したりすると、分譲マンションの管理運営の仕組み(組合員・理事会・総会・管理会社それぞれの立場や役割・守備範囲)がわかってくるので、トンチンカンな発言をする人が減ってくるのでしょう。
居住者間(この場合は議案を図るその年の理事会と、対する一般組合員)では、お互いが顔見知りになるので、どんな個性と発言の特徴を持った人がいるかも判ってきます。
円満にまわっている管理組合では、お互いに信頼感ができてくるからか、発言が過激だったり、批判的な発言ばかりするという人は、ほとんどいなくなるように思います。
3、管理会社について(フロントマンの資質の重要さ)
私のマンションの管理会社は、ベテランの課長が物件担当(フロントマン)をしています。(過去にフロントマンの対応のまずさで何度もトラぶったので、管理会社も人選に気を遣っているように感じます。)
その課長は、報告や助言もわりと的確で、レスポンスもスムーズだったので、理事会は気を揉んだりせずに済んで助かりました。
組合員(各住戸の区分所有者)は、もともとそれなりの地位や立場で社会人として過ごされている方々がほとんどですから、知識や経験を豊富に持っています。
管理組合の活動を経験するうちに、ポイントがどこかわかるようになってきますから、理事会も管理会社におんぶに抱っこというのではなく、主体的に今年は何をやろうと考えるようになります。
管理会社に対する要望も、その時の審議内容に対するポイントを押さえた的確な補助や助言と、できるだけ速い対応を要求するものに変化していきます。
フロントマンの手抜きや、知識不足・経験不足といったものは見抜かれてしまいます。
それに過去の担当者との比較もでてきますので、担当者はそれを心してかからなればならないなと思います。
これは客の立場として思うことですが、同じ業界で働く身としては、そう見られているとしたら、プレッシャーだなと書いていて思います。でもそういうことです。
ただそれを補うこととして、誠意を持った対応を心掛ければ、よほどの実力不足でない限り補える部分も多いように感じます。マンション管理は、人対人の部分も大きい仕事なので、若い担当者などで経験・知識が多少不足していたとしても、頑張りと誠意ある行動が相手に伝われば、管理組合はその点は対会社のお客様よりも寛大なのではないでしょうか。
4、清掃員さんの引退
昨日の総会で可決承認された案件に、管理会社との委託契約の変更というものがありました。
私が提案して議案となったものですが、変更内容は、従来管理員(朝から夕方まで勤務)と清掃員(朝3時間勤務)の2人体制で配置されていたものを、1人体制(管理員が清掃員も兼務する)に仕様変更するというものです。
私のマンションで月々徴収される管理費は、新築当時以来改定されていません。
ですが管理組合の支出は年々増加しています。経年の老朽化で修繕費が増えてきたこともそうですが、防犯カメラの台数を増やしたり、地デジ対策の経費が追加されたりで経常的な支出が当初よりも増えています。
それに対して駐車場の空きが増えて埋まらなくなりました。今回マンション外にも貸出すことになりましたが、放置すれば年間数十万円の減収です。
そんなこともあって、いまのままでは単年度収支が赤字になってしまう可能性が出てきたので、管理委託契約の見直しを提案しました。
なお提案に踏み切れたのは、新築以来ずっと働いてくれていた清掃員(Hさん)の引退があったからです。
昨年夏、もうすぐ80歳の誕生日を迎えるので定年退職としたいと管理会社から申出があり、本人も受け入れたと報告を受けました。
Hさんはとても真面目で熱心な人でした。朝も2時間以上早出で勤務していると聞きました。ごみが多い年末年始などは、本来休みというのに正月からダストルームの整理をしていました。(本来契約時間外のサービス出勤なので、よいことではないのですが、下請けの清掃会社から派遣されていたので、あまり指導もされず勤務条件の見直し提案もなかったのだと思います。)
管理員さんはもう何代目かの人ですが、清掃員さんはずっと同じ人でした。
ここ数年は見ていて明らかに年齢的な衰えを感じましたが、それでも組合員や理事会から交代を求める声は上がらなかったようです。(私は前回5年前の輪番の時にも、理事会で今回と同じ仕様変更を提案しましたが、Hさんが辞めなければならなくなるので、引退するまではいまの仕様で行こうということで提案を取り下げた経緯があります。)
Hさんが引退して、朝に出がけの挨拶を交わせなくなり、ふと今でも寂しいなと感じる瞬間があります。
マンション清掃の会社で働く私からすれば、我流というか仕事のレベル的にはどうかと思うところが少なからずありましたし、下町のおじさんといったキャラクターに抵抗を感じる人もいたのでは思いますが、それ以上に多くの居住者に愛されていたと思います。
Hさんは、人柄と仕事への取組姿勢が評価されて80歳まで働き続けることができたのだと思います。
私が建物管理という仕事に携わるにあたり、Hさんのケースは現場に関わるスタッフ(管理員・清掃員・フロントマンなど)と、お客様(入居者)の人対人の関わりの部分がいかに大切かを思わせてくれることになりました。以上です。